ロービーム・ハイビーム

最近急に「車のヘッドライトはハイビームが標準で ロービームは対向車とすれ違う時などに使うもの」とかを国だか警察だかが主張し始めた

地方によってはハイビームにしていない車の取り締まりも始まるだとか始まっただとか

これについてはネット等でも議論が巻き起こっているようだ

夜間の対向車もいない暗い道路では積極的にハイビームにすべきというのに異論はないが 今回反発を受けているのは“車のヘッドライトはハイビーム標準で”という部分ではないだろうか

法律では確かにハイビームが基準でロービームは補助的な記載があるようだが よほど交通量が少ない郊外とかでない限りロービームで走ることが多いのだから 感覚的にロービームが基準になってる人の方が多いだろうと推察できる

そこにいきなり「ハイビームを標準としてロービームは補助なんですよ」と言われても「理解はできるが納得できない」という状態になるのは仕方がないと思うのだ

しかも警察が積極的に取り締まるらしいとまで言われては 交通事故防止のためと言うよりも 警察の取り締まり項目を増やしたいからという目的に見えてしまうのだがどうだろう

さらに面倒なことは「遵法精神を盾に嫌がらせに近い行動を取る人間がいる」状況

典型的な例としては 高速道路の追い越し車線を制限速度以下で走り続ける 所謂「蓋」走行がある
確かに制限速度を守っているのだから何も悪くないのかもしれないが ハッキリ言って邪魔である

高速道路でも一般道でも後ろから近づいて来る車がずっとハイビームだったら 眩しいし気分も悪い
もしそのハイビーム車に注意をしたとしても「法律も守ってる」と言われたらそれまでだ

実際にハイビームに怒った人から暴言や暴力を受けたとかの噂もある

まあ そういった感情的な部分は“車のヘッドライトはハイビーム標準”というのが浸透してくれば徐々に薄れていくのかもしれないが 取り締まり強化で浸透させようというのは なんか違うと思えてしまう

今日の朝にやっていた情報番組で ロービームのまま走っていたときの危険を寸前で回避したドライブレコーダーの映像を数例流していたが あれはハイビームにしていたら回避できたとかの前にもっと考えなければならないと思った

一番の問題は 街灯もなく暗い道を走るときにハイビームを使わなかったドライバーの意識だ

例えば私なら あれだけの暗さの道で前方が見えづらい状態だったらハイビームにしないと安心して前に進めないだろう

おそらくあの映像のドライバーは 前方に潜む危険をまったく考慮していないからロービームでも走ることができていたのだろうと思う
つまり 道路が暗いだとかに関係なく 脇道からの飛び出しだとか路線変更してくる車だとかがいる状況の変化に いちいち驚いているんじゃないかと思ったのだ

悪く言えば何も考えないボーッとした状態で走っているんじゃないか……と

“普通の感覚”を持っていれば 暗い道の前方をハイビームで確認するのは当たり前のことなので わざわざ取り締まったりするんじゃなくて 注意喚起を促したり 歩行者側にも夜間で見失われにくい服装で歩くことを勧めたりとかの方がよっぽど大事なんじゃないかと思う

あー なんだか説教くさい文章になってしまった

個人的に 暗くて前が見えにくい状況では本能に従って積極的にハイビームを使うし 他の車や歩行者の迷惑にならないように普段はロービームで走ると思う
結果的に事故を起こしたり事故の原因になったりするのは嫌なので 常に思考を止めずに走って行きたいと思うのだ

プログラマーという幻想

小学校でのプログラミング教育を必修化の動きがあるとか……

親たちのアンケートでは約半数が賛成だとか?!

その親たちが理想とするエンジニアは「スティーブ・ジョブズ」「松下幸之助」「ビル・ゲイツ」だとか?
……これはツッコミ入れておきたいところだが それは後ほど

そしてその親たちは 過半数が子供が将来プログラマーやITエンジニアになってほしいと願っているとか……

この親たちが思うプログラマーってどんなのだろうと考えてみると 難しいIT用語をペラペラとしゃべりながらキーボードをカチャカチャとタッチタイプしているような ハリウッド映画に出てくるハッカーのイメージなんじゃないかと思えてきた
それなら標準的な配置のキーボードを用意してタイピング練習ソフトでも使えば一週間程度で立派な「ハッカーっぽい人」が出来上がる
メモ帳ソフトにテキトーな雑誌記事でも打ち込んで エンターキーを「ッターン!!」と叩けば ますますそれっぽい

あまりコンピュータに詳しくない人からすると SEもプログラマーもCGデザイナーもデータ入力のオペレーターも 同じように見えるらしいので キーボードやマウスを使って仕事をこなしている人全般を「プログラマー」と思っているのではないか?などと思ったりもする

それはともかく

普通に考えて 現在の小学生が就職を考える頃の将来でも コンピュータ業界でプログラマー不足が続くとは考えられないのだが 文科省あたりは「現時点で不足しているのだから今から人材を用意しておこう」という目論見らしい

ただ 経験者から言わせてもらえば コンピュータの基本動作さえ理解していれば プログラミングなんて3ヶ月程度の研修で出来るようにはなるから 小学生の頃に無理して覚える必要は全くない
しかも プログラマーには明確に向き不向き(つまり適性)があって 向いてない人だといくら頑張っても習得が厳しいという側面もあるので 義務教育向きじゃないと思う

このプログラマーの適性については 学業の能力とはあまり関係がないので プログラミングが出来る出来ないで差別されるものでもない
一説には統計的に約半数が向いてないとか言われている

音楽や外国語と違って プログラミングなんて子供の頃からやらなきゃいけないという要素が全然ないと思うので 小学校の必修科目には入れない方がいいと思うのだが……

だいたいにして現在プログラマーが不足していると言われるのは 汎用大型コンピュータで運用しているシステムを 今どきのシステムに移行するための人材が不足しているとか 増え続けるWebサイトやスマホアプリの開発需要があるという 現時点でのIT事情からであって 10数年後もこの状態が続くようならプログラミング環境の技術がまるで進歩しないってことになる

さすがにそこまで技術が進まないほど人類はバカではないと思うのだがどうだろう

最初に書いた親たちが理想とするエンジニアは どの人もその業界の黎明期に将来性を見出して 理想を追い求めた人物だ
既に成熟しているコンピュータの世界では とんでもない才覚があったとしても今から大成するのは難しいだろう
生活費を得るための職業としてはこの先も割と安定しているだろうが 仮にいまスティーブ・ジョブズと同じような才覚を持った人がいたとして ITエンジニアを目指すだろうか?

おそらく 今は誰にも注目されていないけど将来性を感じるようなものの発展に全力をあげていくのではないだろうか

その将来性を見出すためには いろいろなことに興味を持って 面白いと思ったら全力で取り組める感性が必要だろう

だから親たちは子供に学習課題を増やしていくことばかり考えず 自由な発想や好奇心を育てることに注力してほしいものだと思う